図版番号 RUMEN-05・よくある質問編
Clash よくある質問
18の Q&A を「基礎知識」「導入設定」「活用テクニック」「トラブル対応」の4編に分けて構成しています。各項目は判断基準と対応手順をセットで提示。下の索引から目的の編に直接ジャンプできます。トラブル対応系の項目は、記載の順序どおりに1つずつ確認することを推奨します(手順を飛ばさないでください)。
基礎知識
作業を始める前に把握しておくこと:Clash とは何か、コアの現状、従来方式との違い、3つの動作モードの選び方。
Clash とは何か?機場(プロキシサービス)のサブスクとの関係は?
Clash はオープンソースのルールベース型プロキシコアで、ノード自体は一切提供しません。YAML形式の設定ファイルを読み込み、記載されたノード情報と振り分けルールに従って通信を転送します。サブスクリプションとは実質的に遠隔設定ファイルのURLで、クライアントが定期的にそれを取得することでノード一覧を得られます。したがって使用手順は、先にクライアントを導入し、次にサービス事業者からサブスクURLを取得して読み込む、という2段階が必須です。
オリジナル版 Clash コアは更新停止中ですが、今も使えますか?
オリジナル版のリポジトリはアーカイブ済みですが、後継コミュニティプロジェクトの mihomo(旧称 Clash Meta)は既存の設定文法に完全対応しつつ、対応プロトコルの拡充など保守開発が続いています。現在主流の Clash Verge Rev や FlClash などのクライアントは mihomo コアを標準搭載しており、本サイトのインストーラーページから導入すれば、既存のサブスクや設定はそのまま使えるケースがほとんどです。
Clash と従来型 VPN の違いは?
従来型 VPN は基本的にデバイスの全通信を単一トンネルに通しますが、Clash はルールベース型プロキシで、ドメインや IP の帰属地などの条件に応じて直接接続・プロキシ経由・拒否の3系統に振り分けられます。例えば日本国内向けサイトは直接接続、海外サイトはプロキシ経由といった使い分けが可能です。さらに複数ノードのグループ化と自動速度測定による切り替えにも対応し、単一トンネル方式より柔軟性が高いのが特徴です。
ルール・グローバル・直接接続の3モードはどう使い分ける?
ルールモード(Rule)は設定ファイル内のルールを上から順に照合する方式で、日常利用ではこちらを推奨します。グローバルモード(Global)は全通信を現在選択中のノード経由にするモードで、ルールの動作確認や一時的に全通信をプロキシ経由にしたい場合に向いています。直接接続モード(Direct)は全通信をプロキシを介さず送るモードで、ローカルネットワーク自体の状態を素早く確認するのに使います。通常はルールモードのままで問題ありません。
導入設定
インストーラーから初回接続まで:クライアント選び、サブスク読み込み、macOS のセキュリティブロック、Android の許可、自動起動設定。
Clash for Windows は保守終了しましたが、Windows ではどのクライアントを使うべき?
Clash Plus または Clash Verge Rev への移行を推奨します。いずれも mihomo コアを標準搭載し継続更新されており、システムプロキシ・TUNモード・サブスク管理に対応、既存のサブスクURLもそのまま読み込めます。Clash for Windows はアーカイブとして残されているだけでコアもセキュリティ更新も提供されないため、新規導入は避けましょう。具体的なインストーラーは本サイトのインストーラーページ内 Windows セクションを参照してください。
サブスクURLはどうやってクライアントに読み込む?
サービス事業者のユーザーページからサブスクURLを一字一句漏れなくコピーし、クライアントのサブスク管理(Profiles)画面を開いて新規サブスク入力欄に貼り付け、確定します。クライアントが遠隔設定を取得し、ノード一覧を自動生成します。読み込み後はプロキシ画面でポリシーグループとノードを選び、システムプロキシを有効化すれば完了です。多くのクライアントは自動更新間隔を設定できるので、有効にしてノード情報を最新に保つことを推奨します。詳しい手順は入門ガイドを参照してください。
macOS で「開発元を確認できないため開けません」と表示された場合の対処法は?
これは macOS の Gatekeeper がストア外アプリを標準でブロックする挙動です。初回起動でブロックされた場合、「システム設定 → プライバシーとセキュリティ」を開き、画面下部にブロックされたアプリの項目を見つけて「このまま開く」をクリックし、パスワードを入力すれば起動できます。「ファイルが壊れている」と表示される場合は、ダウンロードしたファイルに隔離属性が付いていることが多いので、ターミナルで xattr -cr にアプリのパスを付けて実行してから再度試してください。
Android クライアントの初回起動時に VPN 許可が求められるのはなぜ?
Android 版 Clash クライアントはシステムの VpnService を利用してローカルの仮想トンネルを構築し通信を制御します。初回接続時にシステムから VPN 接続要求のダイアログが表示されるので、必ず「許可」を選択してください。許可しないと通信の転送自体ができません。この許可はローカルトンネルを構築するためのものであり、通信の実際の振り分け先は設定ファイルのルールで決まります。接続がシステムに頻繁に切断される場合は、クライアントを省電力機能の除外リストに追加してください。
Clash を自動起動させる設定方法は?
デスクトップ版クライアントは通常「設定 → 一般」に自動起動(Auto Launch)とサイレント起動(Silent Start)のスイッチがあります。前者はOS起動時にクライアントを立ち上げ、後者は起動時にメイン画面を表示せずタスクトレイに常駐する設定です。両方を有効にするのが最も快適です。Windows で自動起動が機能しない場合はタスクマネージャーの「スタートアップ」タブで該当項目が無効化されていないか確認し、macOS では「一般 → ログイン項目」を確認してください。
活用テクニック
接続後の応用テクニック:TUNモードの使い分け、ターミナルでのプロキシ利用、遅延計測の考え方、UWPループバック除外設定。
TUNモードとは何か?どんな場合に有効化すべき?
TUNモードは仮想ネットワークアダプタを使い、ネットワーク層で全通信を制御する仕組みで、アプリ側がシステムプロキシに対応しているかどうかに依存しません。システムプロキシを無視する一部のゲーム、CLIツール、サードパーティ製ソフトなどに遭遇した場合、TUNモードを有効化すればカバーできます。有効化には権限付与が必要で、Windows では管理者権限でサービスをインストールし、macOS ではシステム拡張の許可または特権実行が必要です。有効化後はシステムプロキシを無効にし、二重制御を避けることを推奨します。
システムプロキシと TUNモードの違いは?どちらを使うべき?
システムプロキシは OS に対して HTTP/SOCKS プロキシの入口を登録するだけで、実際に利用するかどうかは各アプリの対応状況に依存します。TUNモードはネットワーク層で強制的に通信を制御するため対応範囲が広い一方、より高い権限が必要です。ブラウザ中心の日常利用であればシステムプロキシで十分軽量かつ安定して動作します。CLIツールやゲーム、システムプロキシに対応しないソフトを使う場合は TUNモードを有効化してください。両方を同時に有効化した場合は TUNモードが優先されます。
ターミナル(コマンドライン)から Clash のプロキシを利用する方法は?
ターミナルは標準でシステムプロキシの設定を読み込まないため、環境変数を手動で設定する必要があります。例:export https_proxy=http://127.0.0.1:7890 http_proxy=http://127.0.0.1:7890。ポート番号はクライアントの混合ポートの実際の値に合わせてください。動作確認は curl -x http://127.0.0.1:7890 https://www.gstatic.com/generate_204 -I を実行し、204 が返ればプロキシ経路は正常です。すべてのターミナルセッションで有効にしたい場合は、この export 文を shell の設定ファイルに追記してください。
ノードの遅延テストはどう行う?表示される数値は何を示す?
クライアントのプロキシ画面にある速度測定ボタンは、測定用URL(よく使われるのは gstatic の generate_204)へ HTTP リクエストを送り、応答時間を計測します。表示される数値は端末からノード経由で測定URLに到達するまでの往復時間(ミリ秒)で、値が小さいほど良好です。個別のノードがタイムアウトしても必ずしも利用不可というわけではなく、その出口が測定URLを制限している可能性もあるため、別のURLで再測定してみてください。すべてのノードがタイムアウトする場合は、まずサブスクとローカルのネットワーク環境を確認しましょう。
Windows で UWPアプリ(ストア版アプリ)がプロキシを経由しない場合の対処法は?
UWPアプリは標準でネットワークのループバックから隔離されているため、127.0.0.1 のローカルプロキシにアクセスできません。ループバック除外設定が必要です。一部のクライアントは設定画面にUWPループバック用ツールを備え、ワンクリックで許可できます。あるいは Microsoft 提供の CheckNetIsolation コマンドや EnableLoopback ツールで対象アプリを選択して許可することも可能です。設定後は対象アプリを再起動すれば、正常にローカルプロキシを経由するようになります。
トラブル対応
番号順に1つずつ確認してください。各Q&A内の記載順序が確認手順そのものです。易しいものから難しいものへの順に並んでいるので、手順を飛ばさないでください。
Clash を起動しているのにブラウザがネットにつながらない場合の確認手順は?
以下の4項目を順に確認してください。①システムプロキシのスイッチがオンになっているか、ポート番号がクライアントの混合ポートと一致しているか。②プロキシ画面で有効なノードが選択されているか、手動で速度測定して確認。③ブラウザにシステム設定を上書きするプロキシ系拡張機能が入っていないか、一時的に無効化して再試行。④グローバルモードに切り替えてテストし、グローバルでは通信できてルールモードでは通信できない場合、多くはルール設定の問題なのでルールの順序とデフォルトルールを重点確認してください。
すべてのノードがタイムアウト表示になる場合は?
全ノードがタイムアウトする場合は、ノード自体よりもまずサブスクとローカル環境を疑ってください。サービス事業者のユーザーページでサブスクの有効期限と残り通信量を確認し、サブスクを手動で更新。次にシステム時刻が正確か確認(一部のプロトコルは時刻のずれに敏感です)。さらにファイアウォールやセキュリティソフトがクライアントの通信を遮断していないか確認し、最後に測定用URLを変更して再テストしてください。一部のノードだけタイムアウトする場合は、別のノードに切り替えれば問題ありません。
システムプロキシのスイッチはオンになっているのに、通信が Clash を経由しない場合は?
まずシステムプロキシが実際に登録されているか確認してください。Windows では「設定 → ネットワークとインターネット → プロキシ」で手動プロキシが 127.0.0.1 とクライアントのポートを指しているか確認し、macOS では現在のネットワークサービスのプロキシ設定を確認します。他のソフト(通信高速化ツール、セキュリティソフトなど)がプロキシ設定を繰り返し上書きしている場合は、競合するソフトを終了してからスイッチを入れ直してください。CLIツールなどがシステムプロキシを読み込まないのは正常な動作で、個別に環境変数を設定するか TUNモードに切り替えてください。
サブスクの読み込みや更新が失敗する原因は?
よくある原因は3つあります。①URLのコピーが不完全、または余分な空白が含まれている場合は、改めて完全にコピーしてください。②サブスクURL自体がプロキシ経由でしかアクセスできない場合、一時的に有効なノードに接続するか、クライアントのサブスク更新設定で「プロキシ経由でダウンロード」を有効にしてください。③サービス事業者がサブスク用ドメインを変更した場合は、ユーザーページで新しいURLを取得してください。フォーマットエラーと表示される場合は、取得したのが Clash 形式のサブスクであり、他クライアント専用形式ではないか確認してください。